イギリスの二大政党の一つである保守党の党首は、政権与党時であれば、党首=イギリス首相でもあります。主要国の首相にもなり得る党首選挙は世界に与える影響も大きいので、保守党の党首選挙の流れと制度について知っておくと相場への対応に先手を打てるようになります。
党首選挙の流れ
現職の党首が任期終了や辞任する場合、後継党首を選ぶ必要があります。任期満了の場合は、任期に合わせて実施します。辞任の場合は、辞任後から準備が始まります。党首選挙の実施決定から党首決定までは約2ヶ月間の期間です。
党首選挙は大きく「立候補」「議員投票」「党員投票」の3段階に分かれます。
投票実施の決定から党首選出まで
全体で2週間の党首選挙期間ですが、各段階では下記の流れで進みます。
立候補:約2週間
任期満了や辞任により後継党首選挙の実施を決定し、告示されます。告示までに立候補者は必要推薦人数(20人)を集めて立候補し、議員投票へ進みます。その時の状況によりますが、約2週間の期間です。
議員投票:約1週間
議員投票は複数(4~5)回行われ、各回で条件を満たさない候補者を除外していき、最終的に2人まで候補者を絞ります。議員投票は各回1日で実施します。連続的に行われ、約1週間の期間です。
1回目:1回目は30票未満の候補者が除外
2回目:2回目以降は最小得票数の候補者が除外
3回目:
4回目:
5回目:候補者を2人に絞り込み党員投票に進む
党員投票:約40日間
全国の党員(16~18万人ほど)が郵便投票を行い、議員投票によって選ばれた2人から党首を選びます。候補者が党員へ政策をアピールする時間が必要なため、約40日の期間で実施します。
選挙制度
保守党内の規則にそって選挙は進んでいきます。立候補することや議員投票で勝ち残るための要件が定義されています。選挙制度について説明していきます。
立候補
立候補するには議員20人の推薦が必要です。立候補しても告示までに20人の推薦人を集められなければ、議員投票に出られません。また、保守党の規則で辞職した現職党首は党首選挙に立候補することはできません。
議員投票
議員投票で候補者を2人に絞り込み、党員投票へ進みます。各回の議員投票で条件を満たさない候補者が除外されていきます。1回目の議員投票で30票未満の候補者が除外され、2回目以降は最小得票数の候補者を除外し、2人まで絞ります。
1回目
1回目の議員投票では最低30票を獲得しないと次の投票に進めません。
2回目以降
2回目以降の投票では得票数が最も少ない候補者を除外していきます。候補者を2人に絞り込むまで4~5回ほど続きます。
党員投票
党員(16~18万人ほど)が郵便投票を行い、議員投票によって選ばれた2人から党首を選びます。得票数が多い候補者が党首に選ばれます。
党首選挙のポイント
立候補者はまず最初に推薦人を集める必要があります。その次は議員投票ですが、現職議員の支持を得るには政策内容が重要なポイントとなります。
議員投票は複数回行われるので、除外された候補者の得票が次回にどの候補者に流れるかも大きな見所です。前半の議員投票で優位でも、後半に票が伸びないケースも十分あり得ます。
最終的に党首を決める党員投票は政策も重要ですが、議員より党員の方が民意に近い判断を下しやすいです。知名度や人気にも影響されやすいので、議員投票で高い支持を得ていても、思わぬ逆転劇も起こります。
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