ポンドドルは、合意なき離脱の可能性が高まり、激しい下落をしています。7月19日のブログで月足・週足の状況から1.20に向かっている様子と書きましたが、 売られ過ぎの反発もなく、その流れが加速しました。
しかし、ボリス・ジョンソン新首相決定直後に売りが始まったのではなく、状況を変えるような材料なく下落したので、売り仕掛けの可能性も十分に考えられます。下落トレンドには変わらず、1.20に向かっていますが、調整による大きめの反発も気になるところです。
下落トレンド継続の場合の戻り売りポイントや、反発を狙うポイントをチャートや政治経済の状況から分析し、整理していきます。
チャート分析
月足
月足トレンド状況
下落トレンド継続です。7月19日のブログと同じく1.20に向かっている様子です。2017年1月安値の1.198を割り込むと目安となる節目がなくなります。その場合、心理的節目の1.15に向かっていきそうです。
一方、下落トレンドではあるものの、売られ過ぎてもいます。2017年1月安値の1.198前後で反発すればダブルボトムの形になり、1.40に向かって動く可能性も出てきます。2017年1月安値1.198はかなり重要なポイントです。
重要な節目1.198
1.198を割ると下値リスクが高まりますが、1.198の下にはストップロスもたまりそうです。ストップロスをつけてからの反転も十分に考えられます。1.198付近での動きとチャートの状況を見て、反発を狙うか、1.15に向かう流れになるか最終的な判断をします。
7月足の終了はFOMC 8月足の開始はBOE
7月31日にFOMCがあり、その後の動きで7月の月足が確定します。FOMC後の反応がドル売りであれば、大きな下ヒゲができます。ドル買いであれば、より大きな陰線になります。翌日の8月1日にはBOEがあり、8月の月足が動き出します。
BOEで7月安値を割る動きにならなければ、反発の可能性が出てきます。BOE後の流れがブレグジット期日までのポンドドルの流れを占うポイントになるでしょう。重要な2日間になるので、1.198の攻防があれば注意が必要です。
週足
月足と同じく下落トレンドです。戻り売りですが、下落スピードが速かったので、戻りを待つにしても急反発に注意が必要です。1.258あたりまでの戻しを想定しています。今週の下落の起点となる7月29日週高値1.238を越せば1.258まで戻す可能性がぐっと高まります。
反発を恐れずに戻り売りするなら、7月29日週高値1.238の上に損切りを置いて1.20に近づけば利確で回転が良さそうです。7月31日のFOMCと8月1日のBOEの後に週足も確定します。週足の状況を見て、最終的に買いか売りか判断するのが賢明でしょう。
日足
下落トレンドです。7月19日のブログ時は反発の気配がありましたが、もみ合った後、節目の1.258を越えることができず、下落トレンド継続で一気に下に抜けました。1.240が重そうな形です。週足での目安1.238が同じく節目となります。
チャート分析まとめ
強い下落トレンドですが、7月29日に急落したので、調整による急反発に警戒しながらのトレードです。1.238の上に損切りで戻り売り、1.238を上回る反発であれば、1.258の上に損切りで戻り売り。
反発狙いは危険も多いですが、1.198の下に損切りで挑みたいところです。FOMCとBOEで動くので、それまでは下値リスクも高いので、反発を狙うならFOMC後が良いでしょう。慎重に行くならBOE後に上昇の流れが見えてからが無難です。
7月19日のブログでは1.258越えの逆指値の買いも視野に入れていましたが、1.258付近が重そうなので、逆指値買いを入れるなら1.258をしっかり越えた位置に入れたほうが良さそうです。
ポンドドル環境分析
政治経済の環境
イギリス
ジョンソン新首相が誕生し、合意なき離脱が既定路線となりました。議会は7月26日から9月初めまで夏季休暇に入ります。夏季休暇が明けてもすぐに党大会が始まり9月中頃から10月初めまで議会は休会です。議会の稼働日を考えるとEUがよほどの譲歩をしない限り、合意は難しいでしょう。
議会は休みに入っていますが、8月1日にBOEがあります。BOEで合意なき離脱になった場合の金融政策について、カーニー総裁がどのように言及するかがポイントです。
アメリカ
7月31日のFOMCは25bpの利下げが織り込まれています。一時は50bp利下げの憶測があり、ドル売りが加速しましたが、25bp利下げが既定路線となりドルは買い戻されました。FOMCでの25bp利下げは織り込み済みなので、今後の利下げペースに関心が移っています。
パウエルFRB議長の発言やドットチャートなどで今後のドルの方向性が決まってくるので、7月31日のFOMC後の流れに注目です。
今後のスケジュール
- 2019年7月26日-9月初旬 イギリス議会夏季休暇
- 2019年7月31日 FOMC
- 2019年8月1日 BOE金利発表 カーニー総裁発言
- 2019年9月初旬 イギリス議会再開
- 2019年9月中旬-10月初旬 党大会 イギリス議会休会
- 2019年10月17日-18日 EU首脳会議
- 2019年10月31日 ブレグジット期日
- 2020年 アメリカ大統領選
7月31日のFOMC、8月1日のBOEでアメリカとイギリスの今後の金融政策が発表されるので、ポンドドルの方向性が決まります。そこでできた流れに乗るのが無難でしょう。
ポンドドル環境分析まとめ
7月31日のFOMC、8月1日のBOE経過後のポンドドルの流れを確認がポイントです。特にイギリスは議会が休みに入っているので、8月1日のBOEが短期的なポンドの方向性を決めます。8月1日まではポンドの反発も限定的でしょう。
ポンドドルまとめ
下落トレンド継続の節目は1.198
7月19日のブログと変わらず、月足・週足は下落トレンドで1.20に向かっています。2017年1月安値1.198が重要な節目です。1.198を割って下落すれば1.15へ向かう動きになり、1.198付近で反発すれば、ダブルボトムとなり、1.40へ向かう可能性が出ます。FOMCとBOEで節目を割るのか注目です。
戻り売りは1.238、1.258の節目がポイント
戻り売りは1.238、1.258の上に損切りを置いて入りたいです。1.258を越しても下落トレンドが反転したとは言えず、1.279、1.318と節目が続きます。10月31日のブレグジット期日までは乱高下しそうなので、短期トレードが良さそうです。
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